【レビュー】ブランパン ニュークラシック ウルトラスリム Ref. 2021-3630-55

ブランパン ニュークラシック レビュー

ブランパンというブランドは、時計がお好きな方ならともかく、そうでもない方にはあまり馴染みがないかもしれません。彼の有名なスウォッチグループの一員ではありますが、その立ち位置や価格のレンジも相まって、それほど目立っているとは言い難いブランドであるためです。

 

右も左も『ブランパン』の図

更に日本においては、「ブランパン」という言葉そのものが同音異義語になってしまっているのもネックかもしれません。Googleで「ブランパン」と検索しようものなら、ダイエット食品として定評のある”ふすまパン”が検索結果を埋め尽くしてきます。

そんなこんなで、それほど目立たない印象のあるブランパン。よく言えば玄人向けであるわけですが、よくよく探してみるとやはり味わい深いモデルがあるものです。本日はそのレパートリーの中から、ニュークラシックというモデルをご紹介したいと思います。

 

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ブランパン ニュークラシック ウルトラスリム 2021-3630-55

ニュークラシックは、現在は廃番となってしまったコレクションの一つです。概ね1990年代から2000年代にかけて製造されていたようで、文字盤のデザインやケースの素材、機能にも様々なバリエーションがあります。その中でこの2021-3630-55は、レッドゴールド (18KRG) のケースに黒文字盤を搭載し、その数も全世界で300本限定と、ちょっと珍しい個体になっています。

デザインはブランパンお得意のダブルステップベゼルに、2針×金無垢ケース×クロコベルトといかにもクラシカルな装いです。そこへちょっとひねたような書体のアラビア数字 (いわゆるブレゲ数字ですね) のインデックスが黒文字盤とタッグを組んで、えもいわれぬ独特の世界観を表現しているようです。

ケース

ケースはレッドゴールド (18KRG) 製です。ブランパンでは割とよく見る素材ですが、他のメーカーだとあまり見ない気もします。ピンクゴールドとか、イエローゴールドのほうが多いような気がします。レッドゴールド×ブラックダイヤルというのは、個人的に好みの色味ですが。

ケースサイズはおよそ36mmです。このサイズについては賛否両論あるかもしれませんが、個人的に最適と言っていいと感じています。時代の流れもあり、近年は40mm級のドレス時計も少なくありません。ただ2針や3針の薄型ドレス時計の場合、デザインのまとまりを考えると35mm前後が収まりが良いのでは、と思うのです。

こぢんまりとしたラグのお陰で、上下のラグ-ラグの全長もおよそ40mmと大変コンパクトにまとまっています。腕からはみ出るようなことはありませんし、袖口に上品にまとまるサイズ感です。

ケース厚も6.2mmと、ウルトラスリムの名に違わず優秀です。ブランパンは伝統的に薄型の時計を得意としていますが、その面目躍如といったところでしょう。

文字盤

ブランパンの文字盤というとオパーリン(Opaline)が有名で、他にも最近ではグラン・フーのエナメル文字盤も出ていますが、これはマット仕上げのブラックダイヤルです。インデックスとブランドロゴのあたりに境目があり、そこでひとつ段差が付いているのですが、それぞれの仕上げを微妙に変えることで立体感を演出しているようです。

インデックスはすべてアプライドで、12, 3, 6, 9がアラビア数字、他は楔形です。曲線が強調された字体(いわゆるブレゲ数字)が採用されているのですが、これが何とも独特の魅力を放っています。細かいところは”寄りすぎ”の方で触れたいと思います。

ケース背面

ケース裏面はトランスパレントバック (裏スケ) の仕様です。手巻きムーブメントなのでローターで視界を遮られることもありません。搭載されているのは、薄型機として著名なCal.21です。こちらも細かいところは”寄りすぎ”の方で触れますが、薄いだけでなくなかなか見応えのある機械です。

竜頭

写真の状態でゼンマイの巻き上げ、1段引き出して時刻調整と、この上なくシンプルな造りです。

手巻きの巻き心地は神経質すぎずマイルドすぎず、アンティークとモダンの中間をとったような良い塩梅です。手巻き時計は基本的に毎朝巻く事を前提として求められますから、この感覚というのは結構大事な気がします。

時刻合わせの操作性も大変軽くスムーズです。2針で構造が単純なためでしょうか、余計な力は全く要らず、なんとも優雅な操作感です。

尾錠

留め具は尾錠タイプで、ケースと同じくレッドゴールド製です。ブランド名が彫られたシンプルなものですね。ブランパンのDバックルはやや特徴的で、少し苦手意識があるため、個人的には尾錠タイプで助かりました。ちなみに純正ベルトは黒のクロコですが、茶系の靴や装いが多いため、茶色のクロコに換装して使っています。ベルト幅(ラグ幅)は19mm-16mmになっています。

総評(雑感)

独特のデザイン性から妖しげな色気が漂う絶妙な一本です。

薄型2針で控えめなケースサイズにも拘らずなかなか強烈な個性があり、現行品ではあまりお目にかかれないであろうタイプの時計です。次の記事にて触れる予定ですが、質感についても非常に良いと思います。

ただ、黒文字盤という事もありドレスウォッチというには我が強く、汎用性はやや低いかもしれません。およそ20年前に300本の限定生産だったこともあって玉数自体も多くはないですし、決して安価な時計というわけでもありません。諸手を挙げて勧められる時計とは言い難く、どこまでいっても玄人向きのモデルです。だからこそ300本限定のデザインなのかもしれませんね。1本目に買うような時計ではないですね。

とにもかくにも、この独特の世界観にどっぷり没入できるかどうか、が焦点になる時計だろうと思います。ただ一度没入してしまうと、もう抜け出せなくなるかもしれませんが…。

仕様情報

ブランド: Blancpain (ブランパン)

モデル: New Classic Ultraslim Limited Edition (ニュークラシック ウルトラスリム)

リファレンス: 2021-3630-55

ムーブメント: Blancpain Cal.21

備考: 300本限定、生産終了品

参考定価: ¥1,210,000

参考質量: 48g

 

”寄りすぎ”版の記事はこちらからご覧ください。

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